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2021/01/07

予実ナイト#5 開催レポート〜前編〜

先日、予実ナイト#5「上場前後期における予算統制と予実管理業務フローの構築」が開催されました。新型コロナウイルス流行前は対面で行われていたイベントでしたが、ご好評につき初めてオンラインで開催することができました。

今回はゲストである井出彰氏、倉田雅史氏のお二方を交えたパネルディスカッションを前編後編に分けてまとめました。本記事では、前編として予実管理の重要性と上場プロセスにおける課題と解決策についてご紹介します。

(写真左下:倉田雅史氏、写真右下:井出彰氏)

<予算策定および予実管理の目的。予実管理の重要性について>

予算策定の目的は、会社がどれ程の数字を目指し、どういった方向性で経営を行なっていくかを社員に伝えるものである。各部署にブレイクダウンして予算を作るので、その各部署の責任者たちに予算の意識を高く持ってもらい、よりコミットしてもらうことが重要。

予実管理の目的は、予算を達成する上で異常が起きた場合に迅速な対応をするためであり、毎月のように定期的に状況を把握してくことが必要。特にIPO準備企業であれば申請期に必ず予実管理が求められ、上場企業であれば開示されている業績予想と実績が異なる場合に適時開示が必要になってくる。(井出氏)

井出氏の回答に加え、アクションプランを決めた上でのPDCAサイクルを回して来期以降の戦略を立てる上で参考にするという面もある。期初の予定を分解して各部門に渡すがその予定通りに行かなかった場合なぜそうなったのか、予実管理をしながら分析し、次のPDCAに回していくことができる。(倉田氏)

<上場プロセスの中でどのように予実管理が変わっていったのか、お二方の経験を交えて>

N-2の時期に入社した時点では売り上げなどの粒度がとても粗かったので、ロジックを整えるなどして、まず最初に売上高の管理を精緻化した。その反省を活かしながらN-1、N期は予算の粒度を細かく作るようにした。まずは営業側で見ている数字と自分が見ている数字の目線合わせをし、営業側との認識をフィックスさせるプロセスを踏んだ。最終的には社内の予算と対外的な予算を分け、対外的な予算は少し上振れて上場した。上場前は通期の予算を意識していたが、上場後はクオーターごとに開示を求められるので月ズレしすぎないように細かく管理している。(倉田氏)

前職に入社したのはN-2期で、予算が粗くトップダウンで作られており精度も低かった。また、投資家への資金調達もありアグレッシブになっていたため、未達が多かった。N-1になると予算の達成を強く求められるので、精度の高い予算を作るためにボトムアップで策定した。予実管理という点では、部門別の会計を取り入れ、かつ、月次決算の早期化に取り組んだ。

N期の予算策定だとバリュエーションが絡んでくる。バリュエーションを高くするためにはアグレッシブな予算が必要だが、上場するには予算を達成しなくてはならない。トレードオフの関係があるのでよく議論することが大切だ。上場後は、経営陣の考えを色濃く反映した経営ができる。上場する前は保守的になり、積極的な投資などがしづらいため、上記のような理由で上場した方が良い場合もある。(井出氏)

<プロセスの中での課題、そして改善点>

ストック型のビジネスは管理がしやすい一方で、フロー型ビジネスは予算が立てづらい。予算を入れるだけなら簡単だが、実際にその予算を達成できるかというのはまた別の話になってくる。なので、上場前後でどの程度見込み案件を織り込むかというのは非常に慎重に議論をした。最終的にフロー型のビジネスについては保守的に予算をたて、目標数字として予算とは別に高い数字を掲げてやっていた。(井出氏)

当社はビジネスモデルがSaaS型で月額課金制になっているのでその点に一番苦労した。現在は様々なSaaSの会社が情報を開示しているが、三年前ともなるとIPOしている会社自体が少なく、何が正解かわからない中、手探りでブログなどを読み漁り、どのロジックが当社にあてはまるのか見定めるのが大変だった。また、採用計画を根拠に予算を立てていた部分があったので、採用が進まず予実差異が発生した年もあった。(倉田氏)

<過去に戻り改善できる点があるとしたら、どういった点を改善するか>

現在DIGGLEを利用し始めたところだが、こういうサービスをもっと早くに使いたかった。N-1期以降スプレッドシートで管理していたが、その中でも苦労したのが先ほど述べた採用計画の未達だ。採用ができなかったため外注を入れないと回らない状態となった際に、科目間で予実が入り混じり、会議などで説明する手間がかかり大変であった。なので財務会計の科目とは異なる大項目(人件費、等)で見れていたら工数を削減できた。(倉田氏)

現在様々な会社を見させてもらっている中で、粗利の部分だけを各事業部に持ってもらい、販管費を管理部側が見ると言う形をとっている会社があった。会社によっては、この切り分けのほうが、事業部側がより集中できる環境になるので、そのように管理部側がより権限を持ってやることも選択肢の一つになりえる。(井出氏)


予算策定で経営の方針を示し、そして予実を管理することで異常が起きた際に迅速に対応できます。さらに必要に応じて軌道修正などをし、来期以降策定するときの参考にすることが予実管理の重要性だとお二方は仰っていました。お二方の経験は違えど、やはり予算の粒度に苦労されていた部分が大きいようでした。

パネルディスカッション後半はこちらからご覧頂けます。是非ご覧ください!


また、DIGGLE株式会社では毎月、予実管理業務に関するセミナーを開催しております。是非ご参加ください。

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