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2021/01/13

予実ナイト#5 開催レポート〜後編〜

本記事は先日開催された予実ナイト#5「上場前後期における予算統制と予実管理業務フローの構築」のレポート後編になります。(編はこちら

後編では、管理部と事業部の連携や、経営管理に向く人材要件、新型コロナウイルスを鑑みた経営管理の今後の展望などについてご紹介します。

(写真左:倉田氏、写真右:井出氏)

予実管理における事業部との連携での工夫。注意点>

全社費用を各部門にどう配賦するかを工夫した。事業部側にとっては自分たちが使っていない経費を負担するということが理解しにくい。納得感の無い配賦だと、事業部としてもコミットできない予算となってしまう可能性がある。なのであえて全社費用を配分せず、独立して管理し、事業部には負担させない形で予算を作る企業も多い。事業部が予算を達成できれば全社費用もカバーできるように予算を策定をすることで、事業部側に直接配賦はせずとも、全社でも利益が出すことができる。

予実管理に関して言えば、会社としての業績が芳しくない場合、コストの先送りなどをお願いしなければならない場面もあるので、日々のコミュニケーションで事業部と信頼関係を築くことが大事になる。(井出氏)

稟議制度や会議体を通じて、で各部門が使いたい予算を把握できるよう工夫した。また、KPIを立てる時や予算を策定する際などには各部門に寄り添って一緒になって考えた。ただPLを管理している人、という位置づけになってしまうと、先ほどの信頼関係の話にも通ずるが、事業部側から信用してもらえなくなるので、事業部側に寄り添ってPLを管理していた。(倉田氏)

<経営管理に向いている人材要件>

視野が広く、好奇心が旺盛な人が良い。予算を立てる、先行きを見通すなど、自社で起きていることを幅広く見なければならない。また、自社、部門、そして市場全体の動向まで情報として持っていないと予算が立てられないので、主体的に情報を取りに行き、仮説を立て、PDCAを回せるような人材が向いている。(倉田氏)

大前提として、事業部と上手くコミュニケーションが取れる人。

そして会社の経営に理解があり、ビジネスに対して知見がある人。自社のビジネスがどういうモデルで、どういう展望を見据え、そのために外部とどういったコミュニケーションを取れば良いのかということが考えられる人が経営管理に向いている。(井出氏)

<DXが叫ばれているが、経営管理の業務の中で今後の展望>

上場審査基準が追加され、厳しくなっている。よって予算のロジックや予実管理の精度について問われることが多くなる。また、DIGGLEのようなツールを理由するという選択肢も増えていくであろう。(井出氏)

新型コロナウイルスが流行し、テレワークが広がった時期に上場したが、その際に株主や投資家の方からコロナウイルスの影響について聞かれた。また、東証からもリスク情報、業績予想、決算説明資料にその影響を書くような要請を受領した。その際、会社としてどのように開示するか検討するため他社のIRを分析をしたのだが、会社によって様々な先行きの見通しを開示しており、とても勉強になった。よって、他社を知り、自社の見通しについてしっかりと見極めることがさらに必要になってくるのではないか。(倉田氏)

<Q&A>

Q:上場前後は売り上げが拡大し始める時期だと思いますが、予算策定上、売上のエビデンスを残すのが難しい場合もあると思います。予算売上を策定するに当たって工夫したこと、苦労したことについて教えてください。

A:当社は売上の実績、新規の受注、単価などの月単位のデータを用いて2〜3年分のバックデータの平均値を取り、上昇率などを数字としてエクセルに並べ、それを元に予算を策定していた。そのようにロジックをしっかり立てていたので、指摘を受けることも少なかった。(倉田氏)

売上と費用で分けて考えると良い。売上に関しては倉田氏が仰った通り過去の売上、KPIの推移から今期のロジックを構築する。また、過去の推移と比較し、アグレッシブな計画を建てる場合は、こういう施策をやるからこのKPIが何パーセント上がります、その結果売上がこれくらい上がりますよ、という説明をしなければ外部のステークホルダーを納得させることができないので、各施策ごとにKPIへの影響を緻密に組みこむことが必要。

販管費に関しても緻密に設計した。ただ、必ずしもそうしなければならない訳ではなく、枠だけを決め、細かい部分は各部門の裁量に任せている会社も多い。(井出氏)

Q:実績が出た時の差異分析のポイントを教えてください。差が開いた箇所のコメントで触れるべき事項とはなんでしょうか。

A:金額基準など、どの項目にコメントをするかは各会社によってルールが違う。その中で重要なポイントは、その差異が今後も発生するものかどうか、だと考える。今後も発生する可能性があれば、全社の費用を抑える、業績に問題はないので触れない、などの判断を行わなければならない。(井出)

井出氏の回答と重なるが、先行きにどう影響するかは差異分析のポイントになる。すでに見通しがついていた差異なのか判断し、その差異が予算との差異なのか見込みとの差異なのかも分析しなければならない。予実分析で原因を分析し、先行きのコメントができているのであれば、見込みに反映させ、着地見込みとの比較を行う。その比較によって判明する差異が今後どう影響するかが重要となる。(倉田)


今回は予実管理業務にお詳しいお二方に上場前後期における予実管理業務フローの構築についてパネルディスカッションしていただきました。昨今話題に上がっている新型コロナウイルスの影響までお話していただき、今後の予実管理業務を見直すきっかけとなったのではないでしょうか。

DIGGLE株式会社では毎月、予実管理業務に関するセミナーを開催しております。是非ご参加ください。

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