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【良い予実管理とは】#1 理想の予実管理体制って?それを実現するためにはどうしたらいい?

この記事は、経営企画に造詣の深い、元DMM.comの経営企画で現在はフリーランスの井上伸也さんとの予実管理に関する対談シリーズです。

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次の記事: #2 経営管理が経営陣と現場の板挟みになってしまう問題

青木:今日はよろしくおねがいします。

井上:よろしくおねがいします。

青木:早速ですが、理想の予実管理像についてを、この間の予実ナイトでお話くださった内容含めて教えていただけたらなと思うのですが。

井上:資料を作ってきたので、こちらをご覧ください。

青木:もう、これがあれば、理想形を具体的にイメージできますね。ありがとうございます。

予実管理、まずはどこから始めるべき?

青木:ただ、実際に「予実管理を始めよう!」と思った時に、何からどうやって手を付けたらいいかわからない方が多いと思うんです。そのあたりを詳しく教えてください。

井上:2~300人のベンチャーでこれから予実管理をしっかりするという会社を前提として話します。

まずは、予算を作るのが習慣化されていないので、「なぜ予算を作るのか」を経営企画と経営陣で握らないといけないですね。

例えば、外部資本を入れている会社だったら、最後は必ず何らかの形でのイグジットが必要ですよね。イグジットをするためには、会社の業績を外部に説明する必要があり、そのために予算と実績をしっかり管理しなくてはならない。

青木:経営陣と「イグジットのために予実管理をすることが大事ですよね」ときちんと合意するのがスタートなんですね?

井上:そうですね。何のために予算策定をするのかを経営陣が腹落ちして、それを声に出して進めないと、結局何のためにその数字を追っているのかが形骸化してしまいます

計画を実行してコミットメントを出すために、予算を作っている。そこがスタートだということを声高に言った方がいいです。

青木:わかります。経営陣は売上をどう作ろうかはすごく意識があるけど、売上が伸びていれば、コスト管理してなくても利益は出てしまいますからね。予算を作っても、意思がこもってないことも、多いかもしれません。

井上:CFOとか財務系のバックグラウンドを持っている取締役だったら当たり前のように数字の感覚が叩き込まれていますが、スタートアップを創業して「ユーザーファーストでしょ!」と考えている起業家は、売上と売上に紐付くKPIなどにフォーカスしていることも多いです。

ビジョン・ミッションに沿った経営計画があり、その計画を実現するための戦略があり、戦略を実現した先にトップラインとボトムの数字がある。経営計画を数字に落とし込んでいくのが予算策定。ここを理解してもらうのが重要です。

青木:中小企業の方は利益出たら節税という意識なので、利益を次の事業への投資に回す思想がないイメージはありますね。

財務会計ベースで予実管理をはじめてみる

井上:予算策定をする時に、最初はどの会社も戸惑うと思います。ですので、財務会計の形をベースに予算を作っていくことをお勧めします。予実管理を始める会社は、将来的に外部に予算を開示していく前提であることが多いからです。開示は財務会計ベースになるので。

予実管理を始めると経営陣が腹を決めたら、次のステップは、経理と経営陣と経営企画で事業企画の前段をすり合わせること。その時に経理側でも勘定科目を作るのかをきちんと洗い出しておいてもらい、作った予算と勘定科目にできるだけ乖離がないように調整しておくことも大事です。

青木:まず、経営陣にしっかりと予実管理をする必要性を理解してもらう。そして、経理を巻き込んで事業計画に数字を落とし込む前さばきをする。予実管理はまずここからスタートするイメージなんですね。

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