Happy Elements株式会社|自社のニーズに合った管理会計PLを柔軟に、瞬時に作成できるように。

導入の背景

  • 管理会計PLの作成は全てエクセルから手作業で科目変換を行っており、見せ方の変更やメンテナンス等に労力がかかっていた。
  • 月次資料の作成に毎月丸4日もかかっていた。
  • 実績の詳細を知るためには会計システムから勘定科目明細や内訳を遡らねばならなかった。

「DIGGLE」選定の理由

  • 仕訳日記帳をインポートするだけで、管理会計PLに自動で変換される仕組みが構築できる。
  • 財務会計ベースの科目から、管理会計ベースでの科目に過去を訴求して一括変換することができる。
  • デモを試してみて、上記を含めた自分達の課題が解決できるシステムだと実感することができた。

導入による効果

  • 事業別のPLや取引先ごとの外注費など、求める情報に合わせて、細かい粒度で確認・議論できる管理会計PLを自動で作成できるようになった。
  • 実績をCSVでインポートするだけで管理会計PLに自動で変換されるため、業務の属人化が解消された。
  • 「DIGGLE」の明細に稟議番号・取引先・請求書ナンバーなどの情報も入れるフローにしたことで、「DIGGLE」を見れば、担当者が自分で各明細の詳細までシームレスに調べられるようになった。また、結果としてバックオフィスの負担が減った。

モバイル向け人気ゲームアプリの開発・運営や、周辺事業を手がけているHappy Elements株式会社では、予実管理に「DIGGLE」をご利用いただいています。

それまで同社はスムーズな業績管理の体制が整っておらず、月次資料の作成にもかなりの工数がかかっていましたが、現在は事業スタイルに合わせた形で「DIGGLE」を活用いただいています。

この記事では、導入までの経緯や実際にどうご活用されているか、さらに今後の「DIGGLE」へのご期待について、同社執行役員 財務責任者の酒井 大輔さんにお話を伺いました。

導入背景

月次資料の作成工数と議論しにくさに課題感

導入前には、予実管理においてどのような課題がありましたか?

酒井:私が入社した頃の月次資料は、基本的にPLのサマリーシートから切り貼りしたものをエクセル上で計算して、さらにパワーポイントに数字を貼り付ける形で業績管理をしていました。経営陣が全社の数字を見られはするのですが、単純に経理が締めた数字が分かるだけで、決して経営の意思決定につながるわかりやすい・議論しやすいものとは言えませんでした。その上、資料を作る作業に毎月丸4日は必要だったので、かなりコストがかかってしまっていました。

選定理由

CSVファイルをインポートするだけで、自動で管理会計PLが作成できる

予実管理ツールにおいて、当社の製品をご採用いただいた理由を教えてください。

酒井:初めて「DIGGLE」を知ったのは、前職の頃でした。当時はPLの細かい粒度まではたどり着けても「今月のこの数字って、どうしてこんな金額になったんだっけ?」と言われたら、もとの会計システムから勘定科目明細や内訳を見に行かなければなりませんでした。財務会計ベースの数字から管理会計目的に切り替えていろいろな数字をアジャストしていくと、作業が属人化してしまいやすいというのが課題でした。

「直接日記帳をインポートするだけで、自社のニーズにあった管理会計PLが自動で作れるシステムがあればいいのに」と考えていたときに「DIGGLE」を知りました。前職では「DIGGLE」が現在のような仕様でなかったことから導入に至らなかったのですが、現職で先ほどのような課題にぶつかったときに再び「DIGGLE」が思い浮かびまして、大きくアップデートされているとのことでまずはデモを試させていただくことにしました。

デモを試してみると、私の希望通り、CSVファイルで財務会計の日記帳をインポートすればそれをベースに管理会計PLへ変換してくれる、また仕訳日記帳をベースとしていることから1本ずつの仕訳まで「DIGGLE」のみでブレイクダウンしていけるところに魅力を感じました。「これがあれば自分たちの課題は解決できる」と思い、導入を決めました。

活用効果

財務会計では確認できない、基幹事業と周辺事業の数字を把握できるように

実際に導入いただき、現在はどのように「DIGGLE」をご活用されていますか?

酒井:弊社の売り上げは、ゲームアプリの課金もあれば、グッズ販売、アニメやライブでの売上などもあります。ひとつのタイトルに対して多種多様な事業を展開しているので、特定のタイトルに関わる各事業のPLが必要になる場面も多いのですが、財務会計では財務会計のルールに照らしてすべて合算されてしまっています。

「DIGGLE」上では、アプリ単独の売上、営業利益までの分解、そのあと周辺業務のライツ事業の売上から利益までを一連の流れで見られるようにしていて、それらを最終合算したものが、ひとつのタイトルの利益となることが視覚的にわかるようにしています。基幹の事業から周辺事業が入って、全社のコスト負担が入って、最終的にそのタイトルの利益が出るという、綺麗に落ちていく形のPLになっていることで、それぞれの担当者にとっても数字を感覚で捉えやすくしています。

「DIGGLE」なら、例えば外注費やCG制作費などが発生したときに、取引先ごとのCG制作費がいくらかかっているのか、というのも補助的に一つの科目として作って当てはめることができます。ユーザー自身が「こういうときはこの科目」と設定をして、自分たちが求める、一番見やすくて議論がしやすい管理会計PLを作れる。こんなシステムは、なかなか他にはないと思います。もちろん、一度変換ルールを設定すれば、あとは仕訳日記帳を毎月インポートするのみなので工数もかなり削減できました。

従来はエクセルを使って同じような作業をしていましたが、何か変化があるとすぐにエラーが出たり、合計値が一致しなかったり、効率化を求めると数式が複雑になりすぎて属人的になってしまうという課題がありました。今では月次が締まったらまず「DIGGLE」に数字を入れて、その数字を見るところからそのまま管理会計ベースでの数字確認を始められるので便利です。設定に関しても、最初にある程度理解している人間が作ってしまえば、あとは担当者がCSVをインポートするだけで同じように再現してくれるので本当に助かっています。

貴社の使い方で特徴的な部分だと思っているのが、明細のところに稟議の番号や請求書など、関連する情報を付加して運用している点です。こちらについてもどういった理由からかお伺いできますか。

酒井:管理会計が何のためにあるかというと、会社の事業をできるだけ自社にあった構成での数字で理解して、そこから次の意思決定やアクションを取るためだと思います。さらに、その決定速度は早ければ早いほどいい。そう考えたとき、まず大事なのは自分たちの欲しい管理会計ベースのPLをどれだけ早く作れるかで、それが「DIGGLE」でできるようになりました。

とはいえ、「この仕訳はなんだっけ」「どんな中身(稟議や補足情報)だっけ」という疑問に対して、経理担当者がいちいち仕訳から該当しそうなデータを探して、検索して返答するといったやりとりをしたくはありませんでした。詳細を知りたいときに、いち早く把握できるようにするにはどうしようかと考えて、いっそのことその仕訳に繋がるような情報ごと「DIGGLE」の明細に入れてしまって、すべて検索できるようにすればいいのではないかと思い付きました。今は各明細に稟議番号・取引先・請求書ナンバーなどの情報も持たせることで、知りたい人が自分で調べられるようにしています。さらに、稟議まで辿れば、そこには当時のやり取りを記録したSlackのURLが書かれていて、なぜその金額になったかを振り返ることができるなど、「DIGGLE」を起点に各明細の具体的な詳細まで全て追えるようになりました。

前職では、当たりをつけて検索しながら会計システムや稟議システムで「多分これだっけ」と1つずつ調べていた経験があるので、知りたい人がそれを一気通貫で確認できるような仕組みを作りたいとずっと思っていました。実際に今の運用になって、とても便利になったと思います。

今後の期待

プレゼン用の表示機能が強化されるとうれしい

最後に、今後のご要望や「DIGGLE」に期待する点を教えてください。

酒井:いわゆる管理会計ベースのPLを作る部分については十分に期待した動きなのですが、事業サイドの方とコミュニケーションする際には、「DIGGLE」そのままの画面ではとっつきずらく、今もパワーポイントで資料を作って説明しています。よくある例では、たとえばウォーターフォールチャートで視覚的に示すなどです。そのあたりを「DIGGLE」の機能として画面上で表示できれば、「DIGGLE」の画面を映しながらダイレクトに相手に説明できるようになります。さらに、何か数字で気になるところがあれば、そこをクリックすることで詳細が分かる、みたいな表示機能ができるとパワーポイントを作成することなく「DIGGLE」だけで完結できるようになるのでうれしいですね。これを実現するためには、非財務データもうまく視覚的に見せていくなどが必要ですが、「DIGGLE」は既に非財務データ取り込みもできますし、現状の会議資料は全て「DIGGLE」からソースを取っているため、素材は既に「DIGGLE」にあることを考えるとあとは可視化の機能をつけていただくところだけなのでぜひ実現して頂けると嬉しいです。

各事業との会議、経営陣での取締役会議、会社全体への全社会議など、会議体ごとに最適な数字の見せ方は異なるのですが、元は1つ1つの仕訳の集合体である、という意味では「DIGGLE」はその部分をデータとして持っているのは大きな強みだと思うので、意思決定ツールとして更に強化されることを期待しています。

あとは、弊社の場合、過去5年ぐらいの長い目線で見たい場合があるので、一画面上でもっと長期的に数字を俯瞰できるようになるとありがたいなと思います(現状は一度に表示できるのが3年分のため)。