株式会社フレクト|投資家との想定問答作成にも「DIGGLE」を活用。精緻な予実・見込管理がIR活動にも貢献。

導入背景

  • 大量のエクセルファイルを駆使した非効率な予実管理を行っており、業務効率化を行いたかった。
  • 予算策定時の管理粒度である予算内容(管理会計)単位での予実突合・差異分析を行いたかった。
  • 最新の数値がどれかわからなくなってしまう事態が頻発しており、精度の高い見込更新を行うためのデータの一元管理体制を構築したかった。

「DIGGLE」選定の理由

  • 総勘定元帳を「DIGGLE」に取り込むだけで、自動で「部門×勘定科目×予算内容」粒度での予実突合が可能に。
  • 「部門×勘定科目×予算内容」粒度での予実差異が可視化され、事業部から精緻な見込情報をヒアリングできるように。
  • 事業部での中期計画や短期計画策定のためのシミュレーションが「DIGGLE」で行えるように。

導入効果

  • 予実突合の自動化などにより、工数や手作業によるミスが大幅に削減され業務効率化を行えた。
  • 日次での見込更新内容の把握、週次での見込の経営報告が可能となり、見たい粒度や切り口での損益計算書(PL)をすぐに作成できるようになった。
  • 投資家面談での想定問答集作成に「DIGGLE」を活用するなど、日々の精緻な予実・見込管理業務をIRに活かせるようになった。

この記事では、予実管理クラウド「DIGGLE」導入までの経緯や実際にどうご活用されているか、さらに今後のご期待について、同社 コーポレート本部 経営企画部 部長の河田 紘史さんと、同じく経営企画部の髙橋 和博さんにお伺いしました。

導入背景

勘定科目よりも細かい単位での予実突合と、精度の高い見込管理を行いたかった

まず簡単に、お二人のご所属と担当業務を教えてください。

河田:経営企画部 部長の河田です。経営企画部の業務は主に四領域で、一つ目が取締役会や経営会議など会議体の運営、二つ目が業績管理・予実管理、三つ目がIRや資本政策、四つ目がM&Aとなっています。

髙橋:経営企画部所属の髙橋です。四領域の二つ目である業績管理・予実管理を主に担当しており、予算策定や予実の差異分析、見込管理、経営報告資料の作成などを行っています。

「DIGGLE」導入前はどのようなフローで予実管理をされていましたか?

河田:エクセルでの予実管理を行っていました。予算は以前から緻密に、仕訳の摘要レベルで立てていました。方法としては、経営陣から大枠の予算方針を出してもらい、それをもとに事業部からのボトムアップで内訳を決めていくようなイメージです。組織が3部門ある中で各部門4バージョン予算をつくるので、全社取りまとめ用のファイルと合わせると10ファイル以上ありました。

予算ファイルだけで10ファイル以上もあったのですね。当時の運用で課題と感じられていたことや実現したかったことを教えてください。

河田:一つは業務の効率化です。エクセルが大量にあり、それぞれにリンク先もあったので全てのファイルを開かないと作業ができなかったり、ファイルが重たくて途中で動かなくなったりと、非効率な中でなんとか作業を行っているような状況でした。

もう一つは予算内容単位での予実突合です。先述のように予算は摘要ベースで細かく策定しているのに実績は会計システムから落としてくるので財務会計の単位でしか見られず、突合は勘定科目粒度でしかできていませんでした。差異の金額が大きいところに関しては総勘定元帳を遡って差異要因を調べていたのですが、エクセルだととても細かい単位での理想とする予実突合・差異分析はできない状態でした。

髙橋:精度の高い見込をたてるためにデータの一元管理を行いたいと感じていました。以前は予算策定や見込の管理にあたって、エクセルファイルを配って記入してもらうといった社内連携が必要だったのですが、たくさんファイルがありどれが最新の数字なのかわからなくなってしまうことが頻発していました。正確な見込を立てるにあたって必要な正しいデータをスムーズに参照できない状態は課題として感じており、誰もが同じ正しい数字を見られるような管理体制をつくる必要性を実感していました。

コーポレート本部 経営企画部 部長 河田 紘史氏

選定理由

「部門×勘定科目×予算内容」単位での予実差異が可視化され事業部とのコミュニケーションも円滑に

「DIGGLE」導入後、業務フローはどのように変化しましたか?

髙橋:「DIGGLE」の予算ID(※1)とCSV変換機能(※2)により、毎月総勘定元帳を「DIGGLE」に取り込むだけで、自動で予算内容粒度での予実突合ができるようになりました。

河田:以前は勘定科目単位でしか突合できていなかったので、大きな変化です。またそれにより、事業部と「この予算は使いますか?」という会話ができるようになり、予算内容レベルで見込を細かく立てていくことも可能になりました

※1:予算IDとは、「部門×勘定科目×予算内容」の組み合わせで自動発番される「DIGGLE」内の管理ID。

※2:CSV変換機能とは、財務会計から管理会計に合わせた条件設定・変更を自動で可能にし、実績の帳票を手修正なく「DIGGLE」に取り込める機能。

予実差異の分析が精緻にできるようになったとのことですが、どのようなポイントを重視して分析をされていますか?

髙橋:差異分析では、まず差異の金額や差異率が大きいもの、通常は差異が発生しにくいのに発生している箇所を見ています。「DIGGLE」だと総勘定元帳を取り込んでいるので、気になった箇所をドリルダウンするだけで明細情報まで見にいけます。内容によっては事業部に理由を質問したり、ミスではないか確認したりして要因の特定を行います

あとは予算IDに該当しない実績があればすぐにわかるので、当初計画で予算取りしていないけれど発生した実績はすぐに把握できるようになりました。イレギュラーの発生はどうしてもあることだと思うので、そうした場合に見込への影響を把握できる状態になっていることは大きい変化だと思います。

そう言っていただけると嬉しいです。その他、フローが変わった部分はありますか?

髙橋:少し違う話になってしまうかもしれませんが、最近事業部から中期計画や短期計画をたてるために「DIGGLE」を使いたいという声がありました。「自分達の事業部が予算を変更したら会社全体の予算にどんな影響があるのか」や「この事業がこれくらい伸びたら会社全体の業績にどれほど貢献できるのか」などを「DIGGLE」でシミュレーションしたいということでした。「DIGGLE」のCS(カスタマーサクセス)の担当者に、シミュレーションに適した環境のつくりかたを相談して実装することができました。

導入効果

週次での経営報告や、IRでの適切な情報開示、株主への想定問答集作成を可能にする実用的な予実管理フローが確立

現時点で、導入により、どのような効果を感じていただけていますか?

髙橋:まず総勘定元帳をアップロードするだけで自動的に予実突合が行えることで、圧倒的に工数と手作業によるミスの削減ができました。

河田:週次で行っている細かい予算内容単位での見込更新と経営報告の精度があがりました。経営報告のための資料づくりも、髙橋が「DIGGLE」を活用して行ってくれています。

髙橋:経営報告には、主に「DIGGLE」の「P/L分析」の画面を使っています。前週との見込比較や、当初計画と見込の比較、事業部別の予実差異から会社全体での差異への影響といったところを共有しています。レポート軸の切り替えが柔軟にできるので、場面に合わせて適切な切り口で数値を見せられるのがとても良いです。その他、中期経営計画策定のためや事業部への予実の共有などにも「DIGGLE」を活用しています。

また見込に関しては日次でもけっこう変化するので、気になった時に変更箇所やタイミングを把握できるようにスナップショット(※3)で毎日自動保存をするよう設定しています。以前はスナップショットの取得は手動で行っていたのですが、CS担当者に「毎日保存したいので、取得漏れをしないように自動取得できるようにしてほしい」とご要望をお伝えしたところ、実際に機能が追加されました。

プロダクトへのフィードバックいつもありがとうございます!経営会議では株主総会やIR資料といった外部への情報公開のための準備や意思決定なども行われていると思いますが、「DIGGLE」が貢献できている部分はありますか?

河田:IR用の想定QA集(※4)の準備も、「DIGGLE」を活用して資料をつくっています。

髙橋:特に販管費や採用のための予算など予実差異が発生しやすい科目に関しては、投資家の方から差異の理由や見込への影響を質問いただくことが多いので、事前に「DIGGLE」の「P/L分析」のデータや今後の広告・採用人数の予定といった関連情報を分析資料としてまとめています。経営陣へのインプットや、手元に置いておくための想定問答集のような役割です。

河田:やはり投資家の方が気になるのは、当初計画からどのくらい差異が出ていて、その要因はなんなのかという部分だと思います。「DIGGLE」で日々精緻に予実管理や見込管理を行えるようになったことで、日々の業務がそのままIRにも繋がるようになりました。

財務会計、管理会計、IRは切り離せない関係だと思うので、良いサイクルづくりに貢献できているようで大変嬉しいです。

※3:スナップショットとは、バージョンの記録、呼び出しをすぐに実行できる機能。

※4 : 想定QA集(想定問答集)とは、株主総会や株主面談の質疑応答を支援するための資料。質問に迅速・的確に回答できるように、社内で事前に想定される質問とその回答を準備しておく。

コーポレート本部 経営企画部 髙橋 和博氏

今後の期待

見込更新をタイムリーに把握できる機能と財務三表の連携管理に期待

最後に、今後のご要望やご期待いただける点を教えてください。

河田:見込の変更がされたときにすぐに把握できたり、変更履歴で一覧できたりすると便利だと思います。スナップショットを使って日次での管理は今も行っているのですが、細かい粒度やスパンで管理をしていることもあり、よりタイムリーな見込管理がしやすくなると嬉しいです。

髙橋:貸借対照表(BS)とキャッシュフロー計算書(CF)の残り二つの財務諸表に関してもテンプレート等が実装されて、損益計算書(PL)と連携したデータ管理ができるようになると嬉しいです。投資家の方への報告や経営管理・投資判断の際など活用できる場が多くなると思います。

見込の変更内容把握に関しては、変更の申請から承認までを「DIGGLE」上で完結させる機能(※5)を開発中なのでご期待ください。引き続きいただいたフィードバックを元にプロダクトの進化に注力してまいります。本日はありがとうございました!

※5:2023年4月に申請・承認機能を公開しました。詳しくはこちらをご覧ください。